実録パワハラ事例① 癇癪上司にご用心

あなたの会社にこんな上司はいませんか?私たちは従業員満足度調査を実施する中で、現場の生の声として、実際パワーハラスメントに近い事例が多く寄せられています。その一部をご紹介していきたいと思います。

 

1.若手の成長と組織のジレンマ

中堅不動産会社に勤務する本田さん(仮称)28歳。入社6年目、経験も知識もつき自信がついてきた。後輩指導も熱心で、懇親会など社内イベントでも大活躍。営業成績も順調、同僚・後輩からの信頼も厚い所謂ムードメーカーにもなっていった。

しかし、そんな彼の活躍を応援する社員ばかりではなかった。彼の直属の上司である営業副部長は、実質彼が所属する支店の営業の責任者であり、彼の営業にまつわる事務関係の仕事の甘さを日々良く思っていなかった。当然副部長としては事務の遵守は肝要であり、組織を守る上でも、本田さんの事務面での成長も促すためにも、表現の仕方こそ厳しいが是正することは必要不可欠であった。

しかしそんななか、副部長としては、本田さんがチームでどんどん存在感を出していくことも不条理に感じることもあいまって、他の職員がいる中で彼が行なった事務ミスを大声で叱責するようになってきた。

2.世代間の意識の相違

最初は、本田さんも自分が犯した事務ミスでもあるので、一方的に反省し、謝っていたのだが叱責は日々エスカレートしていった。

徐々に本田さんのフラストレーションも蓄積し、若手中心の飲み会などで副部長の陰口を言う様になり、叱責を日々見ているまわりの若手職員も『すこしやり過ぎでは。』と思う様になり、副部長への内なるバッシングが若手職員を中心に起こる様になる。

ベテラン職員は、事務の大切さを分かっているため、副部長の立場も分かるため指導方法は適切だとする職員が多かった。

3.会社にとって不幸な結末

この会社での出来事の結末は、本田さんの転職をもって幕を閉じた。彼は営業が得意であり実績も残しているため、同業への転職の引く手は数多であった。

彼を継続して雇用できなかった会社の損失は大きく、営業職員の育成に従来から課題を感じていた同社には余りにも皮肉な現実となってしまったのである。