これで失敗しない!従業員満足度(ES)は事前準備が超重要

人事担当者必見です!
この記事を読むことで、従業員満足度調査(ES調査)の成功確率を大きく高めることができます。
何となく始めて、経営層や従業員に疎まれたくない方はぜひご一読をおすすめします。

1. 従業員満足度調査の事前準備

従業員満足度調査の事前準備・全体像

1-1. 従業員満足度調査の目的を明らかにする
1-2. 実施対象者を選定する
1-3. 調査方法を決定する
1-4. 調査コスト及び手間
1-5. 担当部門・担当者を決定する

 

1-1. 従業員満足度調査の目的を明らかにする

まず最初に何のために従業員満足度調査(社員意識調査・ES調査)を実施するのかを明らかにする必要があります。

調査目的を明らかにすることにより、どのような質問項目が必要であるか、どのような方法を採用すべきなのか、どのような分析をするべきなのか、どのようなフィードバックや報告をすべきなのか、どのような施策を展開するべきなのかが決まってきます。

調査目的を明らかにせず調査を実施してしまうとなんとなく実施してなんとなく終わるということになりかねません。

さて、従業員満足度調査(社員意識調査・ES調査)と一口に申しましても様々な目的があります。ざっとあげてみましょう。

<実施目的のリスト>

  • 従業員満足度を把握したい。
    従業員の生の声から現状にどのような課題があるのかを把握したい。
    ハイパフォーマーの傾向を把握したい。
    モチベーションの源泉を明らかにしたい。
    働く喜びについて調査し、採用活動に使いたい。
    ロイヤルティアップの施策を考えたい。
    風通しのよいイキイキとした職場を実現したい。
    組織が自社視点でなく顧客を向いているかを調べたい。
    各部署のマネジメントレベルの状況について調べたい。
    現場の想いやアイデア、問題意識などを吸い上げたい。
    パワハラ・セクハラなどコンプライアンス違反の土壌などを調べたい。
    メンタルヘルス対策としてストレスレベルを把握したい。
    女性が活躍する土台があるか否かを把握したい。
    人事制度の運用状況や労務状況を明らかにしたい。
    人事制度改定に向けて下調べをしたい。
    理念やビジョンの浸透度合いを図りたい。
    ゆるやかな多面評価として利用したい。
    経営層の経営品質管理の指標として活用したい。
    結果を従業員満足度向上研修(フィードバック研修)に使いたい。
    合併に伴う組織風土統一に向けての事前調査をしたい。
    離職率を下げたい。

上記各項目について把握した現実を改善するための施策を展開したい。
このように、様々な実施目的があります。これらはどれか1つだけを選ぶという性質のものではありません。複数選ぶこともできます。他にもやり方次第によって様々な目的が考えられます。

従業員満足度調査を実施するにあたり目的を設定することにより、内容や方法はおのずから明らかになってきます。

まずは上のリストを参考にして目的を決めましょう。

1-2. 実施対象者を明らかにする

従業員満足度調査を実施するにあたり、回答者をどこまでにするかを選定する必要があります。これは先ほど決めた実施目的に応じて決めます。

決めるべき論点は以下のリストを参考にしてください。

<実施対象者選定において決めるべきこと>

全社員(対象者全員に回答してもらう)かサンプル抽出(ランダムに回答者を選定して回答してもらう)か。
どのような雇用形態まで回答者に含めるか。正社員、出向中の社員、契約社員、派遣社員、パートアルバイトなど。
どの階層まで回答対象者とするか。役員を含めるのか、部長層を含めるのかなど。
例えば、店舗現場のリアルな状況を把握したいのであれば、アルバイトやパートにアンケートに協力してもらう必要があるかもしれません。また、経営層と従業員の意識のギャップを把握したいのであれば、役員層にも回答してもらう必要があります。

このように何を把握したいかによって対象範囲が異なってきます。

参考までに、従業員満足度調査の一般的な範囲は、「全社員実施」「パートアルバイト以外の従業員」で「役員を除く社員」というものになります。

1-3. 調査方法を決定する

従業員満足度調査の目的に応じて、調査方法を検討します。調査の方法について決めるべき点は次のリストをごらんください。

<調査方法の決定事項>

無記名調査(匿名調査)か記名調査(実名調査)とするのか。
無記名、記名のメリット・デメリット
WEBによる実施か紙の調査票による実施か。
WEB、紙のメリット・デメリット
外注するか否か。外注するとしてどこまで外注するか。
外注のメリット・デメリット

1-4. 調査コスト及び手間

以上の項目が決定し次第、どれくらいのコストや手間がかかるのかを算定します。

社内のスタッフで実施する場合に気をつけるべき点は、調査の集計・分析・報告にかかる手間です。特に紙で実施する場合は、配布・回収・入力の手間など思った以上に手間がかかる可能性があるので注意が必要です。またノウハウがないと集計しただけで調査が終わってしまうことがあります。

一方、外注の場合に気をつけるべき点はコストです。報告書を出せば出すほど費用が積み重なる料金システムの場合、当初の見積もりをかなり上回ってしまったなどという話もあります。注意すべき点は、明確な料金体系になっているか、集計だけなのか、レポートまで出てくるのか、施策まで提案してくれるのか、報告会が実施できるのか、などがあります。

1-5. 担当部門、担当者を決定

最後に、担当部門、担当者を決定します。

実際に従業員満足度調査を実施するうえで、どの部門を調査運営担当とするかを決める必要があります。通常は、人事部門であることが多いですが、経営企画部、経営管理部、労働組合が主体となる場合もありますし、連携が必要な場合もあります。さらに、労働組合や経営層が絡む場合もありますので、担当部門と利害関係者について整理する必要があります。

またWEBを利用する場合システム部門などとの調整が必要になる場合もあるので注意が必要です。

次に、担当者を決定します。担当者は調査プロジェクトのリーダーという位置づけになり、スケジュール管理、調査票の配布や回収などの各種事務処理の指揮を取り、最終報告の責任主体となります。

紙による調査票の実施においては、各職場の協力は必要不可欠となりますので、誰がいつ何をするべきなのかについてあらかじめ明らかにしておく必要があります。

外注の場合は、誰が窓口となるのかを明らかにする必要があります。

<続く>

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